[インタビュー]注目の立体内装パネル「サカイリブ」、製品開発の背景を聞く

立体内装パネルは、表面にさまざまな形状の凹凸をつけた内装材だ。クロスや塗装などの平面では表現できない独特な雰囲気を創出し、とくに照明を効果的に組み合わせると「光と陰と影」が魅力的なハーモニーを生み出す。
ここにきて、レジャーホテルも含め幅広い商業施設で注目が高まっている内装材だが、この立体内装パネルという建材を開拓し世に広めたのが(株)サカイリブの代表取締役・堺道明氏だ。同氏に立体内装パネル「サカイリブ」開発の背景を聞いた。

――貴社が立体内装パネルを手掛けるようになった経緯は。
 私は、最初は溶剤メーカーに就職したのですが、その後、1985年に福岡の家具資材メーカーに転職しました。そこで、店舗デザインをしていた知人が、家具の1パーツとして使われていた立体造作を見て、これを大判のパネルで作れないか、と。工場の職人さんに頼みこんで、立体造作のパネルをつくったところ、それを3軒の店舗の内装材として使ってくれたのです。これが、立体内装パネルへの取り組みのスタートです。
それまでも立体造作の内装はありましたが、その都度、木工所などで手作業で作っていたのです。これは、製品化すれば内装材として需要があると思い、自分で見本となるサンプル帳のようなものをつくり、福岡のデザインやインテリアに関わる会社を片っ端から回りました。「興味ないよ」という会社もありましたが、見本を見て「こんなものを作れないか」「あんなものを作れないか」という要望も数多くいただいた。営業で回るなかで、いわば新しいデザインの素を一たくさんいただいたわけです。それでデザインのバリエーションが増えていった。ただ、当時は、工作機械の限界があって、単純なストレートラインの凹凸がある製品でした。

――そして、独立された。
 その家具資材メーカーには2年間勤めました。契約社員だったので、収入は売上の歩合制。サンプルの制作費や出張費、製品の運賃なども自分の収入から出す契約だったのです。寝る間も惜しんで働いたのですが・・・、動けば動くほど、受注すればするほど、私の借金が増えていく。これではしょうがない。立体内装材の需要があることは確信していましたので、自分で立体内装材を専門に扱う会社を起こそう。サクセスストーリーを信じて起業しました。それが1987年です。

――そこから「サカイリブ」が誕生する。
 最初は「ファッションリブ」という名称でした。しかし、お客様から「名前がダサイ」とか「長くて図面に書くのが面倒」と言われて・・・。ダイレクトに「サカイリブ」でいいのでは、そのほうがわかりやすい、と。それで「サカイリブ」の名称に変更しました。

――現在、貴社の製品バリエーションは非常に豊富ですね。
 私自身、我が社は「工場」ではないと思っています。「厨房」という意識なのです。お客様のリクエストに応える創作料理の厨房、そう思っているのです。
実際に、これまで多くのお客様から、さまざまな要望や提案をいただき、それを何とか形にしようと努力し、その結果、より魅力的な製品を市場に提供できることになって、評価されてきたわけです。ですから、お客様の要望に応じた形状のパネルをつくるということが、基本姿勢なのです。その結果、現在では、基本パターンの組合せだけでも100種類以上にのぼるようになりました。
立体内装パネルは、最初は単純なストレートラインの形状が主流でした。そのなかで三角山の形状が人気となり、規格化し大判化していった。さらに、ラインからクロスの形状も製品化、表面の凹凸だけでなく穴の空いた網目形状も製品化。この網目形状は、かなり苦労しました。一般的な切削加工の仕方は、裏面を真空で押さえつけて表面を加工する。でも、穴があいているから、その手法が使えない。失敗を繰り返してようやく形にできた製品です。その後、うねりや曲面などの複雑な波形状も製品化し、バリエーションがどんどん増えていきました。

――お客様からの要望に対して、既存の工作機械で作れないときは、切削刃から新たにつくって臨むと聞きましたが・・・。
 独自の雰囲気のある空間を創り出したいというデザイナーは、定番の製品で納得せず、「こんなデザインができないか」と要望されるケースも多いのです。
そこで、要望に対しては「できるかどうか」だけでなく、できないなら代案としてこのような形状であればできるとサンプルをつくって提案します。新しい形状の切削刃があればできるのであれば、当然ながら切削刃も新たにつくって臨みます。
工作機械や切削刃の開発費というのは、我が社にとって、いわば“中州の接待費”なのです。お客様にとっては、中州でお酒が飲めるよりも、望むデザインや形状ができるほうが、絶対にうれしいはずですからね。

――ここにきて、立体内装パネルは使われ方も拡がってきています。
 内装仕上げの一部に、デザインのアクセントとして使う方法に加え、ビル内の大面積の壁面を演出する素材としても活用されるようになり、また外壁などにも使われはじめてきました。
以前は、ニッチな内装材でしたが、いまはメジャーな建材として認識されるようになってきたといえます。ただ、そうなると、大手ゼネコン等も参入してくる。当社にとっては、競合が増えるなかで、やはり、創業当時からの「お客様の要望があるから魅力的な製品ができる。そのためには工作機械の開発も含めてできる限りの努力をする」ということを基本姿勢に、今後も、さまざまなチャレンジを続けていきます。
レジャーホテルは、さまざまな照明演出が行なわれている空間です。そこに「サカイリブ」を組み合わせることで、よりオリジナリティの高い魅力的な空間が創出できます。ぜひ「サカイリブ」をご活用してください。

≫≫(株)サカイ
http://www.sakairib.com/

■幅広い分野の店舗等に採用されている「サカイリブ」