[協会インタビュー]―社団・沖縄県支部訪問 沖縄県の現状と 今後の協会活動

今年4月、㈳日本自動車旅行ホテル協会沖縄県支部の会長、副会長が交代した。
新会長・仲村康志氏(48歳)、新副会長・西田健一氏(37歳)の若手経営者による新たな執行部体制で、厳しい市場環境下での協会活動に臨む。沖縄県の状況と今後の協会活動について伺った。

㈳日本自動車旅行ホテル協会沖縄県支部 会長 仲村康志
㈳日本自動車旅行ホテル協会沖縄県支部 副会長 西田健一
㈳日本自動車旅行ホテル協会沖縄県支部 前会長 平良 正
㈳日本自動車旅行ホテル協会沖縄県支部 顧問 仲村常栄
㈳日本自動車旅行ホテル協会沖縄県支部 理事 山入端立一
――聞き手 季刊『LH-NEXT』編集長 多田義則

政令改正問題にも協会として積極的に対応

多田 この4月に、会長、副会長が交代されました。
平良 時代が変わり市場環境も大きく変わっていますから、協会も若手主導で活動していこうということからです。
仲村(常) 若手が頑張れば、多くの経営者がついてきます。そして経験の長い我々がその活動をサポートしていく。そのような体制で臨んでいきます。
多田 では、仲村新会長の経歴からお聞かせ下さい。
仲村(康)  48歳で二代目です。市役所に勤務する公務員だったのですが、11年前、父が2号店を開設することになり、公務員を辞めて一緒にホテル事業に取り組むことになりました。
多田 西田新副会長は。
西田 37歳です。7年前に、父が銀行を定年退職しホテル事業を始めることになった。ホテル事業は初めてでまったくの素人でしたから心配もあり、それまで勤めていたIT企業の沖縄事業所を退職して、一緒にホテル事業を始めることになったのです。
多田 新規参入ではたいへんなことも多かったのでは。
西田 スタートからたいへんな思いをしました。4号営業だと思って取得したホテルが、経営会社の倒産や転売があった物件で、実は既得権が喪失していたのです。そこで何をどうすればよいのか、法的な問題も含め、協会の前会長や顧問に相談しながら対処し営業を継続できることになったのです。こういった問題や相談の受け皿としても協会の存在は重要だと思います。
多田 実際にホテル事業に臨んで、どのようなところに面白さや魅力を感じていますか。
仲村(康) 厳しい市場環境ですが、ラブホテルは「カップルが幸せな時間を過ごすための場所」という認識でホテルづくりを進めており、やりがいのある面白い仕事だと思っています。
西田 そうですね。どのような客室やサービスを提供すれば、お客様のニーズを満たし、喜ばれるのか。それを考えるのは楽しい。さらにその取組みが評価されるとすぐに数字になって現れる。これも魅力ですね。
多田 さて、昨年の風営法政令改正では、沖縄県はかなり厳しい状況だったと聞きましたが……。
仲村(常)  多くの新法ホテルは、4号営業の届出をして従来と同じ形態で営業することを望んでいました。しかし、県警は、旅館業法で営業してほしいという意向で、当初の県警の説明等では、ほとんどのホテルが4号営業の届出が受理されないと思われる状況でした。
 とくにモーテル構造のホテルは営業が成り立たなくなってしまう……。そこで、協会としては4号営業に変更できるように、何度も県警に通い、どうすれば届出が受理されるのか、質疑を繰り返しました。しかし、私たち経営者だけでは難しいと判断して、途中から弁護士も交えて交渉していきました。
平良 同時に、このままでは多数の廃業ホテルが出てしまうと、県議会にも陳情し、議会からも県警にアプローチしてもらいました。
仲村(常) その結果、モーテル構造のホテルも、一部は4号営業の届出が受理されることになり、また、車庫から客室への動線変更などで、新法でも営業が継続できることになりました。
 当初は、廃業せざるを得ないホテルがかなり出てしまうのではないかと懸念されたのですが、何とか廃業は1軒も出さずに政令改正問題を乗り切ることができました。
多田 政令改正後の警察の指導等は。
平良 県警の担当者が新法ホテルをまわって、4号営業に該当しないための注意点を指導してくれたので、ホテル側としては、風営法違反の不安なく営業できる状態になっています。
多田 現在の沖縄県支部の会員数は。
仲村(康) 正会員14社、賛助会員15社です。会員ホテルの多くが沖縄市およびその周辺に集中しており、県内全域の状況を把握するためにも、また行政とのパイプ役として機能するためにも、今後、県内全域で会員を増やしていくことが必要だと思っています。 

今後、経営情報の発信にも力を注ぐ

多田 全国的に市場環境の厳しさが続いていますが、沖縄はいかがですか。
仲村(康) 沖縄も同様で、利用者数が減少しています。やはり不況の影響が大きいですね。とくに若者層の就職難、低所得化が進んでいます。同時に若者のセックスの行動や価値観も変化してきている。また、沖縄でも格安のワンルームマンションが増え、若いカップルはホテルを使わず自分たちの部屋で過ごしてしまっているようにも思われます。
西田 利用者減少の要因は、会長が述べたように多くの要素が複合的に重なっていて、何か一つの対策で解決する問題ではなく、難しい……。
仲村(康) 今後の協会の活動も、ホテルの集客につながり業界が活性化するような取組みに力を入れていかなければならないと思っています。
お客様のニーズを掴むにはどうすればよいのか、そういった経営者の勉強会も実施していきたいと考えています。また今年度の事業計画で、年内に協会のホームページの立上げを予定しています。そこには会員ホテルのホームページもリンクさせ、各ホテルの集客につながるような内容・構成にしたいと思っています。
西田 私自身、協会では若手という立場なのですが、すでに、私が20代の頃のラブホテルに対するニーズと現在の若者のニーズが違ってきているように感じています。その違いをどう把握してホテルづくりやサービスに反映させていけばよいのか。現在の若者はネット活用が当たり前の状況ですから、Wi-Fiの導入やネットを活用した情報発信なども含めて、手探りの状態ですが、とにかくさまざまなトライをしていかなければならないと思っています。
仲村(康) 沖縄には「かりゆし塾」という企業経営者の会があるのですが、そことの交流会も6月に行ないました。この会は観光地などの地域活性化にも取り組んでおり、私たちの業界も参考にしていきたいと思っています。
平良 沖縄市の比根屋地区は、現在40軒が営業しており、全国的にみても有数のホテル集積地です。そこで、このエリアを例えば「恋人の聖地」といったイメージで打ち出し活性化させるような仕掛けができないか。そういった検討も進めています。
山入端 ラブホテルやモーテルの魅力を知らない人も少なくありません。新しいお客様を造り出すような、ホテル側からの情報発信も重要だと思います。
仲村(康) また、協会活動としては、たとえば地元の少年野球の支援といった地域の青少年育成への貢献などもやっていきたい。私たちの業界を社会的に認知してもらう活動も大切だと思っています。
多田 5月の「福山ホテル火災」を受けて各地で消防の査察等が進んでいますが、沖縄では……。
仲村(康) 県内でも、消防の査察が行なわれ始めています。消防法や建築基準法に関してもコンプライアンスが重要ですから、協会としても定例会などで防火・防災の情報も発信していこうと思っています。

<掲載:季刊『LH-NEXT』vol.13 2012年7月31日発刊>