[特別レポート]ココホテルグループに聞く 店舗展開とホテルづくりの方向

ココホテルグループ 取締役 清水正行/同 取締役 清水智枝
ルナパークグループ 代表取締役 庄司乃由

 2015年8月10日、青森市に「ココホテルルナパーク」をオープンさせたココホテルグループ。同グループは、今春にレジャー・ラブホテル事業に新規参入した企業だ。同ホテルを皮切りに12月に静岡に2号店を改装オープン、以後、全国で積極的に多店舗展開を進めていくという。同グループでホテル事業を統括する若き兄妹・清水正行氏と智枝氏、そして同グループをサポートするルナパークグループ代表取締役・庄司乃由氏に、店舗展開とホテルづくりの方向を聞いた。

高収益性に着目し新しい事業の柱とすべく参入

――レジャー・ラブホテル事業への参入の経緯からお聞かせ下さい。
清水(正) ココホテルグループの母体は不動産賃貸事業を主業務とする企業です。現在の不動産事業は、物件価格も建築費も高騰し、高利回りの物件を見つけ出すのが難しい状況が続いています。そのようななかで、レジャー・ラブホテル事業に興味を抱き、今年4月に、縁あってルナパークさんと出会ったのです。 私自身、これまでまったく接点のない業種で、何となく収益性が高そうだという程度の知識で、実際にどのような事業なのか、まったく不明でした。しかし、庄司社長から現状や収支の詳細を伺って、まず、その高利回りに驚きました。さらにハイリターンながら決してハイリスクではない。新しい事業の柱として、私と妹の2人が中心となり積極的に推し進めようということになったのです。新規参入してまだ半年強ですが、実際に事業に取組んでみると事業自体も面白い。奥が深くやりがいのある事業だと実感しています。

――ルナパークの関わり方は。
庄司 投資の対象としてレジャー・ラブホテル事業に関わる方々は、取得・改装・運営すべてを当社に任せるというケースが多い。一方、ココホテルグループは、自社で所有・運営して多店舗展開を進めていきたいという意向です。当社は、事業全体をコンサルティング、サポートする関わり方となります。同時に、お二人とも、レジャー・ラブホテルの既成概念に捉われない視点と切り口で、事業展開やホテルづくりを目指しています。当社にとっては、事業をサポートしながらも、そこから自分たちにはない新しい発想を得られると思っています。

――1号店の取得、改装の流れは。
清水(正) 物件の見極め方や適正な取得額等々をルナパークのアドバイスとサポートを受けて検討し、5月に取得しました。
庄司 銀行から相談を受けた物件でした。築16年で高級建材を使用した状態のよいホテル。東京から離れた物件でしたが、初期投資額が抑えられる物件でしたので、1号店として取組むにはリスクも小さく、適していると考えて取得をお勧めしました。
清水(正) 青森というと地方都市ながら、12 ~ 15%の利回りが見込める、魅力的な物件です。
庄司 改装はKOGA設計に依頼し、地域の売上上限が1室1か月50万円程度でしたので、その売上を念頭において投資額を定め、事業計画作成をサポートしました。
清水(智) 実際の取得・改装・オープンまでの流れを知りたかったので、2か月ほど現地に詰め、改装現場に通いました。同時に、近隣の弘前市にあるルナパークの店舗で約1か月の研修を受け、実際にフロント業務や清掃業務も行ないました。
 私自身、それまでペットショップ事業を行なっていたので、まったく初めての業種。ユーザーの視点からは華やかで楽しそうな施設という印象でしたが、研修で実務に携わり、24時間365日、人が動き続ける現場を見て、休みなく収益を生み続ける施設、これはすごい事業だと改めて実感しました。同時にルームメイクの現場は体力勝負、これも実感しました。

既成概念に捉われず新しい業態創出を目指す

――2015年春に参入して年内に2店舗。今後の店舗展開の計画は。
清水(正) 当初は年内に5店舗を取得・オープンする目標で臨んできたのですが2店舗にとどまりそうです。来年できるだけ早い時期に目標を達成したいと思っています。
清水(智) その後、3年間で100店舗を目指す、というのがグループの中期的な目標です。
庄司 急速な展開ですが、決して達成不可能な目標ではないと思います。

――ココホテルグループは、どのようなホテルづくりを目指すのですか。
清水(正) 現在の繁盛しているレジャー・ラブホテルは、どこもキレイでサービスも充実しています。どこで差別化していくかがポイント。その1つが女性への訴求力だと思っています。女性視点でホテルをみることができる妹の存在は大きいと思っています。
庄司 実際に1号店でも、タバコの臭いを消臭する効果のあるアロマディフューザーを提案されて導入。お客様から高い評価を得ています。
清水(智) 高級シティホテルではアロマの演出が進んでいます。匂いは記憶に残るので、ホテルを印象付けるうえで有効な装置です。女性視点でみると、ホテルにほしいアイテム・サービスは数多くあります。それらを重視して特徴として打ち出していきたいと思っています。
清水(正) これは私個人の将来的な夢なのですが……。ハウステンボスにロボットがフロントのホテルが登場しましたが、さらに推し進めてロボットがすべて対応するようなホテルをつくりたい。デジタルのテーマパーク的なホテルです。レジャー・ラブホテルというのは、そういったアプローチも可能な業態だと思います。
清水(智) 直近の方向性としては、外国人に対応できるホテルにしたいですね。海外の私の友人たちはみな「ラブホテル」という言葉を知っています。興味も持っています。しかし、外国人が利用しやすいラブホテルは、まだまだ少ないというのが現状。シティ・ビジネスホテルよりも広くてデザインもよくて多彩な設備もあって、しかも安い。イメージを変えて、フロントをはじめ対応の仕組みを変えれば、国内旅行者も女性客も外国人も、もっと幅広く集客できるはず。レジャー・ラブホテルというよりも、マルチホテルといったイメージのホテルを展開ていきたいと思っています。
庄司 既成概念に捉われない発想とアプローチで、レジャー・ラブホテルの高収益構造を確保しながら新しい利用を創出していく。業界に新風を吹き込んでもらえるのではないかと思っており、私自身も今後の展開を期待しております。
《掲載LH-NEXT vol.26(2015年10月31日発刊)》