[特別インタビュー]『地方発 ラブホテル繁盛考』発刊 ――著者・久保田正義氏に聞く

 福島・会津若松で2店舗を経営する㈲久保田商会・代表取締役・久保田正義氏が『地方発 ラブホテル繁盛考』(テイダン・ラブホテル叢書)を上梓、6月30日に発刊となった。久保田氏に出版の経緯を伺った。

地方・小規模店舗でも高売上は可能
――『地方発 ラブホテル繁盛考』を出版された経緯は。
久保田 現在のラブホテル業界は、売上が低下傾向、店舗数も減少傾向を示し、縮小市場と見られています。二極化も進み、大都市圏と地方の地域格差、チェーン展開店舗と単独店舗(あるいは2、3店舗)の企業規模による店舗格差の拡大も指摘されています。
 市場環境の厳しさが増すなかで、従来のカップル客の減少を補完しようと、増加するインバウンド客の受入れや観光・ビジネス客の獲得といった、カップル客以外の新しい客層開拓の動きも見られはじめています。
 しかし、こういった動きは大都市圏に限られます。地方においては、外国人に知名度の高い観光資源のある地域以外、インバウンド客は訪れていません。大都市圏では大企業の好況から景気回復が見られても、地方の経済は停滞が続いています。その結果、近年、地方においては閉鎖を余儀なくされるラブホテルが増えています。
 しかし私は、ラブホテル事業は、決して衰退産業ではないと思っています。確実に利用ニーズのある宿泊業態であり、地方の小規模店舗であっても、現在もそして将来も、十分に高収益が得られる事業であると確信しています。
 こういったラブホテルの現状や、いま求められる経営・運営の手法について、㈱テイダン・湯本社長と議論していたときに「久保田さんのラブホテルに対する想いと経営方法を1冊の書籍にまとめないか」と勧められたのです。私自身、多くの先輩経営者の方々から、ラブホテル事業に求められる数多くの事柄を学ばせていただきました。私のこれまでの取り組みが、今後のラブホテル事業の一助になるのであればと思い、今回の出版に至ったのです。

「ラブホテルの原点追求」と「スタッフの意欲向上」
――現在のラブホテルが高売上を上げるために求められることとは。
久保田 私の経営する2店舗が立地する福島県会津若松市は、人口12万人強の地方都市です。他の地方都市と同じく、人口減少が進んでおり景気も停滞した状態が続いています。
 しかしながら、「ホテル ド・キュー」(20室)は2006年に新築オープンして以降、客単価約7,500円/1室1か月売上70万~80万円を持続しています。開発費が約2億円(土地代別)ということも考えると十分な高収益を生み出している店舗です。「ホテル エムズ」(12室)は2003年にビジネスホテルを取得しラブホテルに転換した店舗。正面に大型観光施設があり昼の稼動が見込めない立地ながら、客単価約8,000円/1室1か月50万円台の売上を維持し、こちらも高収益店舗として成立しています。
 ラブホテルというのは、あくまでカップルが楽しい時間を過ごす宿泊施設です。そのラブホテルとしての原点、非日常性のある客室空間と顧客満足度の高いサービスを実現すれば、市場環境の厳しい地方立地であっても、お客様は来店してくれます。十分な高収益を得られる事業として成立します。ただ、そのためには、ラブホテルを構成する装置産業とサービス産業という2つの要素を、バランスよく融合していくことが必要だと考えています。
 とくにサービス産業の視点からの顧客満足へのアプローチは、改善の余地が数多く残されている業態だと思います。まず、1人1人のスタッフが高いモチベーションで仕事に臨むことが求められます。そのために、当社ホテルのスタッフは全員がフロントも調理もルームメイクも行なう、独自の運営体制です。キャリアアップや各種報奨制度も独自の視点から整備してきました。
 ラブホテルの原点を追求した客室づくりと、顧客満足を実現するためのスタッフの意欲向上、この2つを推し進めることが重要だと考えており、その取り組み方の実際をまとめたのが本書です。儲かるラブホテルづくりには、さまざまなアプローチがあると思います。本書が、将来に向けて、儲かるラブホテルづくりのための新しいアプローチを踏み出すきっかけになれば幸いです。

(季刊『LH-NEXT』vol.33/2017年7月31日発刊・掲載)

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