[予約サイトの現状と方向]インフォニア㈱/GNU㈱ 取締役 香月政伸

[カップルズ予約]
・・・アプリを独立させず「カップルズ」サイト内の 予約機能として、12月に稼動を開始

 今年10月1日に、サイト所有・運営=インフォニア㈱、営業窓口=GNU㈱の新体制で新たなスタートを切ったレジャー・ラブホテル検索サイト「カップルズ」。同サイトの予約機能として「カップルズ予約」のスタートが表明されていたが、ついに今年12月に稼動を開始させる。どのような予約システムなのか、どのような効果を狙っているのか、「カップルズ」部門を統括する取締役・香月政伸氏に伺った。

システムの概要

「カップルズ予約」のシステムはすでに完成、基本的な概要も決定している。10月に社内での試用チェックが行なわれ、11月に協力ホテルにおいて実使用の検証を行なったうえで12月中に稼動を開始させる予定だ。では「カップルズ予約」の基本的な概要を整理しておこう(稼動までに細部変更の可能性あり)。
●初期設備・費用
「カップルズ予約」の開始には、検索サイト「カップルズ」への掲載(有料)が条件。掲載ホテルは初期費用無料で「カップルズ予約」が開始できる。
●予約方法等
・予約方法=当日予約と事前予約。どちらか一方の選択も可能。休憩予約に関しては、稼動後にニーズを検証して検討していくとしている。
・決済方法=事前予約は予約時にクレジットカード決済。当日予約は予約時クレジットカード決済およびホテルでの現地決済。予約におけるキャンセルポリシー(キャンセル料の比率等)は各ホテルが決定する。
・販売方法=予約プランの設定は各ホテルが自由にできる。
・予約確認方法=予約受付は自動承認と手動承認を選択できる。手動承認は予約が入るとホテルに予約確認(自動音声電話、管理画面、メールによる通知を選択できる)があり、ホテルが承認することで予約が確定する。同社では、トラブル回避のために当初は手動承認を推奨するとしている。
●ランニングコスト
 固定の月額料金は不要。成果報酬で成立した予約に関する手数料は、予約時のクレジットカード決済も現地決済も一律で12%を予定(予約のクレジットカード手数料も含む)。
 料金の流れは、予約時クレジットカード決済の場合は、利用者→クレジット会社→GNU→ホテル。現地決済の場合は手数料をホテルがGNUに支払う。

予約アプリを独立させず「カップルズ」に組込む

「カップズ予約」の特徴は、まず予約アプリとして独立したシステムとせず、検索サイト「カップルズ」に組み込んだシステムとすることだ。
 検索サイト「カップルズ」の現在の閲覧状況は、月間アクセス数2,550万PV、月間利用ユーザー数160万人、累計アプリダウンロード数120万超。同社取締役・香月政伸氏は「このアクセス数とユーザー数を活かすために、独立した予約アプリとせず、サイトに組み込んだシステムとしました」という。さらに「現在のネットユーザーは、より便利な情報提供を求めています。例えばネットショッピングでは、商品購入時に類似商品などユーザーが興味を引く情報も提供される。検索サイト内に組み込むことで、各種メニューとの連動が図れ、ユーザーにとってはより便利な、ホテルにとってはより訴求力のある予約情報の提供ができることになります」と検索サイトへの組込みのメリットを述べる。
 稼動に向けて「カップルズ予約」実施ホテルの募集も間もなく開始される。香月氏は「すでに多くの問合せをいただいているのですが、10月1日のカップルズサイトの営業窓口変更に伴う契約変更を先行。おかげさまで多くのホテル様から支持していただき、スムーズに契約変更が進みました。カップルズサイトに関しても、所有・運営と営業が一元化することで従来以上にホテル様の生の声を活かし効果的な仕掛けをしていきます。予約機能に関しても同様の考え方で臨みます」という。

新規顧客開拓と稼動向上さらに属性分析にも活用

 レジャー・ラブホテルが予約を実施するメリットについて、香月氏は「事前予約は、旅行やビジネスユースなど新しい利用のされ方も含めた新規顧客の獲得につながります。一方、当日の空室は、従来は利用者の来店を待つだけでしたが、当日予約で能動的に販売告知ができ稼動率の向上に寄与することになります。さらに各種サービス付加のプランを販売することで単価アップにもつながります」と指摘する。ただし「現場担当者が簡単に使えることが求められます」ともいう。「カップルズ予約」では、現場担当者の作業負担をできるだけ小さくすべく「使いやすく見やすい管理画面を目指した」としている。
 もうひとつ、予約実施によるメリットとして顧客属性の把握に活用できることを指摘する。自社ホテルの利用者層・実態の把握は集客戦略の基礎となるが、レジャー・ラブホテルは他の宿泊業態に比べてその数値化が難しい。予約利用によりそのデータが収集できることになる。
 例えば、現在、「カップルズ」利用者の9割近くがスマホユーザーだ。しかし「クーポンの利用実態を検証するとPCの比率のほうが大きい店舗もあり、クーポン自体も地域によって利用率がかなり異なります。今後は、地域別・ホテル別に細分化した属性の把握とそれに基づく集客戦略の構築が求められます。予約データ分析による集客戦略構築のサポートにも取り組んでいきたいと考えています」(香月氏)。
 一方、インバウンドの対応に関しては「カップルズサイトでも、通訳サービスを組込んだ掲載プランの提供なども検討しています。ただ、単価と組数とコストの兼ね合い。費用対効果が合うのかどうか。現実的に活用でき収益につながる仕組みとして検討する必要があります」(香月氏)と慎重な姿勢だ。
 検索機能「カップルズ」と送客機能「カップルズ予約」の連動で「現実的に費用対効果に見合う広告効果・集客効果を発揮させていきます」(香月氏)。「カップルズ予約」の稼動とその後の展開にも注目したい。

掲載:LH-NEXT vol.30(2016年10月31日発刊)