予約集客~その可能性と活用方法/㈱J-needz 代表取締役 大福地元仁

≪複数の“入口”の一元管理化を進め 戦略的な予約集客への取組みを開始≫

 関西圏を中心に22店舗(直営11店舗)を展開する㈱J-needz。予約集客を重視し、全店舗ともHPからのWeb予約環境を備え、インバウンド予約も9店舗で実施。現在、協力企業とのコラボレーションで各種Web予約の一元管理化を進めている。

戦略的な取組みには一元管理が必要

 一般のホテル・旅館は予約利用が基本でWeb予約も一般化。レジャー・ラブホテルも予約集客は安定集客につながるので実施すべき、というのが基本的な考え方です。
 予約利用を増加させるには、自社HP、国内外のOTAサイトやアプリなど、まず複数の“入口”が必要。さらに選ばれるための価格(曜日・シーズンに合わせた価格変動)や適正な販売在庫数の設定も必要。Web上での効果的なホテル紹介の仕方も重要。これには複数の入口を一元管理する仕組みと専門知識のある専属担当者が必要です。しかし、現場の運営体制、手間、ネットの知識等々から予約に取り組めないホテルが少なくないのが現状です。
 現在、予約集客は主流ではなく、あくまで付加的な集客。自社内でその仕組みを構築し人材を確保するコストを掛けても採算は合いません。そこで、当社では外部企業とのコラボレーションで、レジャー・ラブホテルの現状に合った運用ができる一元管理の仕組みの構築に取り組んでいます。
 インバウンドの予約の仕組みはすでに稼動。ジャパニーズドットコム社(所在地:神戸)の協力により、複数のOTAサイトの予約管理、リクエストメール及びチェックイン時・滞在時の英語対応、チェックアウト案内、さらに各OTAサイトへの精算、請求業務に至るまで、すべてをアウトソーシングしています。現場スタッフは、当日朝にFAXで通知されたその日の予約内容を知るだけで良い、といった仕組みです。これらのアウトソーシングで手数料は1ホテルあたり月平均5万円以下。専属担当者を確保し自社で仕組みを構築することに比べ、手間、労力を含めて考えると相当のコストダウンになるといえます。

企画力で市場開拓も可能

 当社ホテルのインバウンド予約の獲得状況(この1年半の集計/主要6店舗)は、1店舗あたり月平均で少ない店舗が7件、多い店舗が87件と、立地による差が大きい。インバウンド需要は、外国人旅行者に人気か不人気かで、地域差が明確に出ています。
 インバウンド獲得に新たに取り組む場合、リスク回避としてアウトソーシングすることが、現状、最も有効な選択肢と考えています。インバウンド集客での平均単価は、各種手数料を引いても8,000円強です。一般利用の平均単価を大きく上回り、十分な収益が出る状況です。とくに外国人旅行客のピークシーズンは、平日で客単価16,000円、1日20組利用といった店舗もあり、売上に大きく貢献しています。
 一方、国内客に対しては、現在は電話予約が基本ですが、前述の協力企業との連携で、2017年初頭には、国内のWeb、自社HP予約も含めた一元管理の仕組みに発展させていきます。
 とくに国内客に対しては、企画によってはWebの情報発信・予約が効果的に活用できます。ペット同伴可の宿泊プランを自社HPで告知し大きな反響と予想以上の予約を獲得した例もあります。Web告知・予約は、企画次第で新しい市場開拓の可能性もあります。
 現状では、一般的な予約なしの利用客をメインに回転稼動重視の運営で望んでおり、予約集客はあくまで付加的な集客としての位置付け。しかし、将来に向けてレジャー・ラブホテルの利用者拡大を考えると予約集客は外せない要素です。ただし、前述したようにHPも含めた複数の入口から予約を現場の負担なく取り込んでいく一元管理の仕組みと、戦略的な取り組みが不可欠です。その構築に注力すべき時期にあると考えています。

掲載:LH-NEXT vol.30(2016年10月31日発刊)