[特別インタビュー] 2016年、アルメックスの新方向を聞く

 ㈱アルメックスは、昨年、マルチメディアシステム「MX」、3Dデジタル客室選別機「R de sign」を発売開始し、ハピホテ予約のスマホ用アプリをリリース。そして今春には、海外向けのレジャー・ラブホテルのポータルサイト「Loveinn Japan」を立ち上げる。いま同社は、今後のレジャー・ラブホテルの可能性を切り拓くべく、新たな方向に向けて大きく動き出し始めている。アルメックの新方向を、同社代表取締役社長・馬淵将平氏に伺った。

次世代に向けた再成長のチャレンジをスタート

――新しい方向に動き出したアルメックス。その背景と考え方とは。
馬淵 アルメックスは、今年6月に創業50周年を迎えます。半世紀にわたり業界の皆さまのご支援をいただき、ともに成長してまいりました。
 しかし、近年、若者人口の減少やカップルレス化などの若者の価値観・行動の変化などもあり、レジャー・ラブホテル市場は縮小傾向で推移してきました。一方、宿泊業界全体には、インバウンドの急増という大きな新規需要が雪崩のように押し寄せてきています。レジャー・ラブホテルも、その対応次第で今後の成長が左右される状況となっています。いま、レジャー・ラブホテルは大きな変革期です。この変革期を将来の可能性を切り拓くチャンスとするために、アルメックスも自ら変革し、次世代に向けた再成長にチャレンジしていかなければならないと思っています。
 インバウンド対応といっても、深刻な人手不足のなかで外国人対応ができるスタッフを揃えるといったマンパワーでのオペレーションの再整備は、現実的にきわめて難しい。マンパワーも必要ですが、同時にIT・システムで対応できることもたくさんあります。後者に関しては、まさに当社が取り組まなければならないシステムソリューションです。
 昨年、市場に投入した、3Dデジタル客室選別「R de sign」も、マルチメディアシステム「MX」も、マルチランゲージ対応で、日・英・中・韓の4か国語での表示を実現した製品です。
「R de sign」は3D表示の斬新なデザイン性を有し、「MX」もホテルの個性に合わせたデザインのカスタマイズを可能にしており、入館時あるいは入室時の第一印象を大幅にイメージアップできることもあって、発売開始以降、おかげさまで好調な引き合いをみせています。しかし、デザイン性を進化させただけではなく、今後の外国人利用者とのコミュニケーション支援を念頭に開発したシステムなのです。これらの新製品もインバウンド対策のソリューションの1つです。
――今春には、海外向けのレジャー・ラブホテルのポータルサイトも。
馬淵 「ラブ」と小規模ホテルの「イン」を組合せた「Loveinn Japan」の名称で、今年4月を目途に立ち上げます。外国人に日本独自のレジャー・ラブホテルという宿泊業態を認識・理解していただくことが目的。シティ・ビジネスホテルよりもリーズナブルな料金で快適で楽しい宿泊施設があるという情報を発信していきます。当初は約300店舗を掲載予定ですが、同時に、レジャー・ラブホテルとはどのような宿泊施設なのか、その魅力や使い方の情報に重点を置きます。そして1年後の2017年春には、予約サイトとして機能させる予定です。
 また、昨年11月に旅行会社と業務提携をして、中国人観光客のレジャー・ラブホテルへの送客事業もスタートさせました。現在、関西の2ホテルに個人旅行者を送客しています。まだトライアル段階ですが、今年は、対応ホテルも提携旅行会社も増加させ、個人旅行者に加えて団体旅行者も対象にしていく予定です。
 2016年は、まさに「インバウンド元年」という位置づけで、インバウンド対応に関する各種ソリューションの提案、提供を本格化していきます。インバウンドへの対応は、従来にない新しい需要の開拓です。さらにレジャー・ラブホテルという業態のイメージアップ、リブランディングにつながっていくことになります。
――インバウンド対応に関する貴社の内部体制は。
馬淵 2年前に社内組織を変更し、企画・開発・営業がよりスムーズに連携し、スピーディな対応ができる体制を整えました。さらに、外国人の採用も実施。日本人の感性で外国人に情報発信をしても伝え切れない部分があります。外国人の感性で外国人に向けてレジャー・ラブホテルのアメージングな素晴らしさを発信していきます。今後も外国人の採用を増やしていきたいと思っています。
 また、製品・システムの提供だけにとどまらず、同時通訳サービスやコールセンターなど、インバウンド対応をサポートするサービス体制の構築も、すでに準備を進めています。
――その一方、昨年、ハピホテ予約のスマホ用アプリもリリース。
馬淵 現在、インバウンドの急増によりシティ・ビジネスホテルは高稼動状態で価格も高騰し、出張難民といった言葉も聞かれる状態です。レジャー・ラブホテルにも予約機能があれば、ビジネス客や観光旅行客も取り込めることになります。もちろん、従来の利用者にとっても、予約で客室を確保できることは大きなメリットです。
 ハピホテアプリは、昨年末時点で100万ダウンロードを超え、登録会員数も90万人を超えています。予約利用は現在の利用者が求めているといえ、今後、レジャー・ラブホテルも予約利用が可能であることが浸透するにつれて、新規利用者も従来利用者もともに利用促進につながっていくと思っています。

将来を見据えた新たな取組みもスタート

――昨年、ソーシャルロボット開発企業とも資本業務提携を締結。
馬淵 昨年11月に、ソーシャルロボット開発のユニロボット㈱と資本業務提携を行ないました。
 すでに産業用ロボットは、さまざまな分野で稼動していますが、ソーシャルロボットはこれからの分野。AI(人工知能)を備え、エンドユーザーとコミュニケーションができるソーシャルロボットは、ホテルや病院など人が集まる施設において、さまざまな活用が期待されています。
 昨年7月に第1期オープンしたハウステンボスの「変なホテル」のプロジェクトに当社も自動精算機で参画しましたが、ロボットフロントを採用し話題を集めました。さらに、アメリカでは客室へのデリバリーロボットを実用化しているホテルもあります。将来のレジャー・ラブホテルにおいて、ソーシャルロボットの活用の可能性は大きく、新しい付加価値テクノロジーになると考えています。
 現状では、具体的な用途は決めておりませんが、インバウンド対応においても、レジャーホテルの利用の仕方などを伝えるコンシェルジュとしても有効に活用できるでしょう。
――その他、今後の製品・システム開発については。
馬淵 現在、クレジットカードのIC化やデビッドカードの普及も進んでいます。多様な決済機能を有する精算機の開発が必要だと考えています。またコンピューターもクラウド型とすることで、初期導入費用を抑え有料のメンテナンスサポートというシステムに変えていく必要もあると思っています。これらも2020年までには市場に投入できるように取り組んでいきます。
――宿泊業界にとっては、民泊解禁という大きな動きも。
馬淵 民泊は、今後、新たな宿泊業態として市場形成されていくでしょう。確かに、宿泊施設としての安心・安全の確保などさまざまな問題を内包しており、民泊解禁よりもレジャー・ラブホテルをもっと有効活用すべきという意見もあります。これは行政に向けてアピールしていくことが必要です。
 しかし、インバウンドの増加は、2020年の東京五輪までの動きではなく、その後も続くはずです。マクロ経済からみて大幅な円高への転換は考えられない。周辺各国が経済的に豊かになってきている。日本には観光資源が豊富で安全とホスピタリティもある……。インバウンドの経済効果は日本経済を支える柱の1つに定着していくといえます。宿泊施設の圧倒的な供給不足が続くなかで、民泊は個人の空室貸しから事業としての取組みに進化していくことが予測されます。ただ大きな設備投資をして臨むビジネスモデルではありません。そこでは非対面精算を含めた省人化オペレーションが必要。そのオペレーションは、まさにレジャー・ラブホテルのノウハウといえます。
 不動産会社が民泊事業に乗り出してもオペレーションのノウハウが必要です。レジャー・ラブホテルの経営者が、第2の事業としてこの分野に進出することは十分に可能だと思います。当社としてもそこで求められるシステムの開発に取組んでいく考えです。
 宿泊業界全体で、インバウンドの増加を背景に大きな変革が始まっています。レジャー・ラブホテルも将来に向けた再成長を目指すための変革(ルネサンス)が求められています。当社もその変革に貢献できるようなテクノロジーソリューションの提供に、今後もさらに力を注いでいきます。

[問合せ] ㈱アルメックス 情報システム事業部
東京都港区北青山3-1-2
TEL.03-6820-1440
FAX.03-6741-4749
URL http://www.almex.jp
掲載 LH-NEXT vol.27(2016年1月31日発刊)