女性視点の アダルトグッズの選び方

 レジャー・ラブホテルは、宿泊施設としての快適性や機能性に加え、カップルのラブニーズへの対応が不可欠だ。しかし、男性と女性では“エロ”の感性が異なる。女性視点でのラブニーズ、エロの感性を具現化することは、今後の集客力として重要なファクターだ。バイブコレクターとして、女性視点でアダルトグッズや性に関する情報を発信する桃子氏にインタビューした。

女性の共感を得る使用レポート

――そもそもバイブコレクションを始めたきっかけとは。
桃子 ラブホでバイブを買って使用したことがはじまりです。そのときのバイブの性能がよかったというよりも、彼と一緒にとても楽しめたことが大きかった。それで、自宅に帰ってからネットでバイブを検索すると、すごくたくさんの種類があって、しかも、とても可愛らしいデザインの製品もある。もっと気持ち良くなれるバイブがありそうだと、買い集め始めたのです。
 でも、ネットで探して購入し届いた現物を使ってみると、予想と違って“失敗した! ”ということも。そうなると悔しくなって、また買って……気が付いたら、相当な数のコレクションになっていたのです。集めるだけでも楽しかったのですが、ある程度の数が揃うと、ブログで使用レポートを書いてみようかなと……。女性は、彼氏とのセックスなら友人に話せます。でも自分のオナニーについて話すことには大きな抵抗感がある。でもブログなら、知らない相手ですから抵抗感がなかったのです。そのうちに、女性から「どこで買えばいいの」「どんなものがいいの」といった質問や相談が寄せられるようになり、そういったネット上での交流が楽しくなって、それがブログを続けられた要因ですね。

――「桃子のおもちゃDIALY」は1日最高10万件という、すごいアクセス数があった……。
桃子 ブログを始めたのが2008年。でも、2010年には強制退去となってしまった。利用していたアメーバブログは、エロの規制が厳しい。笑い話のようですが、カフェラテとかパチンコもNGワードなんですよ。それでライブドアブログに移行して続けることになりました。

――その頃に「今夜コレを試します~OL桃子のオモチャ日記」を出版。
桃子 ブログを見た編集者から声を掛けていただきました。本の出版によって、ネット上の匿名の交流だけではなく、アダルトグッズに関わる方々、実は素敵な女性がたくさんいて、彼女たちとの直接的な交流が増えました。エッセイストでもある北原みのりさんの「ラブピースクラブ」でバイブ教室を実施したり、渋谷のバイブバー「ワイルドワン」で月1回、1日店長をやったり……。現在もOLを続けているのですが、出版以降、バイブに関する情報発信の活動範囲が広がりましたね。

女性が魅力を感じるバイブとは

――単行本では69本のバイブの使用感などがレポートされていますが。
桃子 当時、100本くらいのコレクションがあり、そのなかから69本を選んで紹介しました。
 バイブというと、以前は、男性が女性に対して使うというイメージ。そのため、男性が興奮するために、デザインもグロテスクなペニス型だったり……。現在もそのイメージをもっている方が男女ともに多いと思います。でも、自分のために使う女性も増え始めて、この数年、国内外の製品とも女性がお洒落と感じるデザインの製品が増えています。
 そういった女性が抵抗感なく使える製品がたくさんあることを紹介したい。同時に、ネット販売で購入しようとしても、質感や動き方、動作音などはわからないわけです。サイズも記載されていても実感としてわからない。それらが伝わるようなレポートをしたいと思っています。

――ラブホテルでも、アダルトグッズは重要なアイテムです。
桃子 バイブは、女性が一人で使うだけではなく、カップルで楽しめるアイテムなのです。
 マンネリ化しはじめているカップルにとって、2人だけではセックスレス化は解消できません。でも、そこでアダルトグッズを使うことで、新しい気持ち良さが生まれます。実は、バイブやローターの振動は男性にとっても気持ちの良いものなのです。首筋や乳首などに当てると、男性も結構、喜びますよ。ですから、女性だけが使うのではなく、カップルがお互いの気持ち良さを増強していくために使うことができるアイテムだと思っています。

――ラブホテルでは、どのようなラインナップを揃えればよいでしょうか。
桃子 バイブ初心者の女性にとっても魅力を感じる製品を提供してほしいですね。やはり、グロテスクな形状とか、大きすぎるサイズは、避けてほしい。見た目でネガティブな印象を受けてしまうと、やはり使いたくないという気持ちが強くなってしまいます。反対に、お洒落なデザインで「可愛い!」と思われるような製品なら、抵抗感なくバイブの魅力を楽しめることになります。また、素材感や安心感も重要ですね。
 もうひとつ、これは男性に対して言いたいのですが、あまり安物のバイブやローターは使ってほしくない。女性に対して失礼です。198円のローターなども売っていますが「え~、私にそんな安物を使うの?」と興覚めしてしまいます。また、やはり安物は、振動なども雑でピリピリするだけで、実際にあまり気持ちよくありません。
 また、ローションも、ぜひ質のよいものを備えてほしいですね。粘膜に使用するだけに、女性は品質に対して警戒心があります。大丈夫かなと疑うような製品では楽しめません。最近はローションも進化していて、少量で伸びがよく乾きにくく、同時に自浄作用があり後に残らないといったタイプも販売されています。こういった女性への配慮がある製品を提供しているようなラブホテルは、また利用したくなりますね。

ラブホは格好の販売チャネル

――最近は、バイブはネット販売に加え女性向けのショップもあり、手軽に購入できるようになった……。
桃子 ただ、前述したようにネットでは、質感や動き、動作音などが確認できません。大きさもわかりにくい。私も届いたパッケージを開けたら「えっ、こんなに大きいの!」と驚いたことも。さらに、ネットで購入できない中高年層も多い。都心部では女性も入りやすいショップもできていますが、カップルで行くと羞恥プレイのような感じで抵抗感がある人も多いと思います。
 こういった状況を考えると、ラブホテルは、とてもよい販売チャネルだと思うのです。最近、多くのラブホテルでは、ロビーに無料貸出品として多数のシャンプーやボディソープなどが並んでいます。これは、女性にとってすごく嬉しいサービスです。でも、シャンプーの陳列の先に、バイブのサンプルがキレイに並んでいたら楽しいですよね。そこでサイズや質感や動作が確かめられたら、高額で品質の良い製品の販売につながると思います。渋谷のバイブバーでは、男性より女性のほうが積極的にバイブを手に取って動作を見て楽しんでいます。とくに最新のお洒落なデザインの製品を並べれば、間違いなく女性の興味を引くはずです。
 また、ホテルで購入したバイブを持ち帰りたくても、そのままバッグの中に入れるのは抵抗があります。購入者に、中が見えない袋状のパッケージなどを付けてくれると嬉しいですね。

――ラブホテルの利用者は中高年層が増えてきています……。
桃子 いまスポニチで連載しているコラムは、中高年層が対象です。その内容でとくに好評なのが、ペニスリングと媚薬やラブコスメの紹介です。中高年の多いラブホテルでは、こういったアイテムのサービスや販売もよいと思います。
 そのほか、セックスの後にベッドでまったりしたいときなどに、デリケートゾーン用のウェットシートなどがあると女性は嬉しいですね。

――ラブホテルでは、アダルトグッズをもっと女性視点で活用すべきですね。
桃子 私自身、生活感のある自宅ではあまりセックスしたいとは思いません。やはりラブホテルがいい。広いお風呂に彼と一緒に入浴して、マットとローションで楽しめて……。これは自宅ではできない楽しさと気持ちよさです。そして、女性にとって魅力的なバイブを使って彼と一緒に楽しめたら……女性はもっと気持ち良くなることができると思います。

バイブコレクター 桃子(ももこ) 趣味で集めたバイブの使用感をレポートするブログ「桃子のおもちゃダイアリー」を2008 年からスタート。1日最高10 万アクセスという超人気ブログとなり、2010 年には「今夜、コレを試します~ OL 桃子のオモチャ日記」(ブックマン社)を出版。現在もOLを続けながら、女性の本音情報サイトmessy で「独り寝のお作法」、スポーツニッポンで「大人のあなたのいまどきラブグッズ」のコラムを連載するなど、女性視点でのアダルトグッズや女性の性に関する情報を発信中。現在のバイブコレクションは180 本以上。
掲載 LH-NEXT vol.22(2014年10月31日発刊)