[協会インタビュー]県下ホテルの過半数が加盟 地域組織の連携も目指す

福島県旅行ホテル協会連合会 会長 橋本久勝

 福島県旅行ホテル協会連合会は、現在、県下約180軒のホテルのうち約100軒が加盟する。その高い加盟率の背景と活動内容、地方の協会団体の必要性を、橋本久勝会長に聞いた。

行政に働きかけられる組織に

――貴協会は、県下ホテルの過半数が加盟。その加盟率の高さの背景は。
橋本 当協会は、昭和46年に発足した歴史のある組織ですが、加盟数は一時40ホテル程度まで減少していました。それが2009年からはじまった風営法政令改正問題の際の協会の活動に、多くの経営者が賛同していただき、加盟ホテルが大きく増加したのです。
 この政令改正は、我々の業界の存続に関わる大きな問題。協会に非加盟の経営者にも正確な情報を伝えなければならないと思い、県警に働きかけて説明会を開催し、その案内を協会が手配して県内の全ホテルに送ったのです。
 私のホテル歴は35年。85年の新風営法施行の際に、正確な情報が伝わらず、地域による大きな温度差も生じ、多くの経営者が混乱した状況を経験していましたから、その二の舞は避けなければならないという思いが強かったのです。

――協会活動の内容や方向は。
橋本 同業者同士のつながりが希薄な業種ですが、やはり近隣同士での情報の交換・共有は、コンプライアンスや経営の面からも必要です。
 また、行政や警察からの指導や協力要請を各ホテルに伝えていくことも大切ですが、同時に業界の要望を伝えていくことが求められます。これは個々の経営者レベルでは不可能、組織としての働きかけが必要です。
 そもそも我々の業種は、法令を遵守して健全な経営をしているのに、性風俗関連特殊営業という範疇で括られ、その結果、看板や広告など経営に大きく関わる各種の規制を受けてしまっている……。最終的には、風営法から除外されることが望ましいと思っています。いま、ダンス営業が風営法から除外される法改正が進んでいますから、我々の業種も決して不可能なことではない。そのためにも、行政に訴え動かすことができる全国的な組織力が必要だと思っています。
 これは地域においても同様。やはり、政治的な働きかけができる組織が求められます。当協会では、協会顧問に参議院議員(増子輝彦氏)を、同時に各支部にはそれぞれ地元の県議会議員(福島:西山尚利氏/郡山:柳沼純子氏/会津:平出孝朗氏/須賀川:川田昌成氏/いわき:青木稔氏)を顧問に迎えています。また協会顧問弁護士も置き、会員ホテルに何かあった時には、行政に対しても迅速に働きかけることができる体制にしています。

■若手二代目の青年部も発足

――県内のホテルの状況は。
橋本 全国的に大都市と地方の格差が広がっていますが、福島は特殊な状況です。2011年の東日本大震災と原発事故で、被災後に廃業したホテルや原発事故の警戒/避難区域内で営業再開の目途が立たないホテルもあります。一方、避難者の受入れや復興作業者の流入でホテルの稼動が一時的に向上した地域もありましたが、昨夏頃からその状況も落ち着いてきました。
 また、金融機関の融資が集中し、その結果、供給過剰、売上低下、売却となって中央の多店舗展開企業の進出が著しい地域もあります。地元の小規模店舗にとっては、ますます厳しい環境になっているといえます。

――厳しさが増す環境下で後継者育成の動きも……。
橋本 昨年、青年部を発足させ、若手二代目による勉強会や懇親会などの活動も始めました。これまで二代目の方々は同業者との交流がなかなかもてませんでしたから、同世代で集まって話をするだけでも刺激になり意欲の向上にもつながります。二代目が将来に向けて広い視野で経営に臨んでいくための活動の場を設けることも、協会の役割だと思っています。

――各地の協会団体との連携も進め始めておられますが……。
橋本 まずは、東北各県の協会団体と連携して情報交換などの交流を図りたいと思い、「みちのく会」の名称ですでに2回の会合を開いています。各地<の状況や情報を知ることは、経営面でも行政への対応面でも必要なことです。業界にとって、全国組織があり、各地域に根差した協会団体があり、それらが連携する構造で全国の同業者が組織化されれば、今後の法改正の際などにも業界の要望が伝えられますし、風営法からの除外の働きかけもできるようになると思っています。

〈掲載:LH-NEXT vol.22(2014年10月31日発刊)〉