[特別レポート]ホテルの業態転換も可能な 障害者福祉事業への取組み

㈱ルナマーレ 代表取締役 加納正志

 ホテルの運営管理を展開するルナパークグループの関連会社、㈱ルナマーレは、障害者福祉事業に取組む会社として昨年4月に設立。今年6月に障害児の放課後デイサービス施設を開設、8月には、障害者雇用のクリーニング工場を、既存ホテルの一部を転用して開設した。同社代表取締役・加納正志氏に、その内容を聞いた。

補助金等の支援もあり民間事業として成立

――この事業に着手した経緯は。
加納 障害者をケアする福祉施設は、非常に数が少ない状況です。国の方針として、障害者が社会に出て就労できるような方向の施策を打ち出しており、補助金や極めて低金利の融資など各種の支援があり、民間企業が事業として取り組める状況になっています。しかし、民間企業の参入はまだまだ少なく、今後、社会的にもさらに求められる事業だと判断してスタートさせました。
――障害者雇用のクリーニング施設とは、どのような施設ですか。
加納 岐阜県内のビル型と連棟型の複合したレジャーホテルの連棟型の一部を転用した施設です。動線を区切り4室分を使用、そこに洗濯機や乾燥機、作業スペースを備えています。この施設は、正式には就労継続支援A型事業所と呼ばれるもので、障害者自立支援法に基づいた雇用契約を結びますが、国や自治体からの補助金を受けられます。もちろんリネンサービスの売上があり、開設費用の融資も極めて低金利で受けられますから、民間企業でも事業として成立します。現在、県内のルナパークグループの3ホテルのリネンを担当、タオル類は手巻きロールで納品するなどホテルの要望に合わせた提供ができています。
――デイサービス施設というのは。
加納 これはホテルの転用ではありませんが、障害児の放課後をケアする施設です。学校卒業後に少しでも社会に適応できるように各種の体験プログラムなどを実施しています。これまで障害児の親たちが集まって、あるいはNPOが運営するといったケースが多かったのですが、これも各種の補助等により民間が事業として取り組めるようになりました。
――今後の展開は。
加納 就労継続支援A型事業については、とくにホテルの一部転用によるクリーニング工場という需要は少なくないと思います。また、雇用契約を結ばないB型事業もあり、それらも含めると農業や各種の清掃業務、内職的な部品製造など、さまざまな展開が考えらます。さらに、デイサービスについては母親が就労しているケースも多く需要は大きい。加えて、成人向けデイサービスや入居型グループホームといった施設のニーズもあります。入居型などは、まさにホテルが建物を活かして業態転換できる施設といえます。
 老人介護の分野は各種施設がすでに数多くあり競合も厳しい状況ですが、障害者のケア施設はこれから整備が進む分野です。当社では、自社展開だけでなく、現在稼動している2施設の事例をベースに、新たにこの事業に参入したい方々のご相談にも対応しますので、お気軽にご連絡をください。

(季刊『LH-NEXT』vol.18掲載)